テーブルマナー① イギリス式とフランス式マナーの違い
こんにちは、ソムリエの中村です。
今回は一呼吸おきまして、テーブルマナーについてお話していきたいと思います。
テーブルマナー
テーブルマナーとは本質的には、相手への気遣いや大人としてのたしなみなのです。
必要以上に、テーブルマナーを難しく考える必要はないと思います。
食事中に同席者に、ペチャクチャと音を立てながら料理を食べられたら、
食欲がなくなってしまいます。
肉や魚を食べる時に、ナイフやフォークが皿と擦れあって、キンキンと音を立てられたら......このように食事を楽しむ上では、相手に嫌な思いをさせない事が大切です。
しかし、一方でお蕎麦屋さんやラーメン屋さんのようにズルズルと音を立てるのが普通な場面もございます。その場に応じた気遣い、場の空気感に合わせる事も大切だと思います。
お互いがお互いのことを“気遣う”ことは、大人には必要となる“たしなみ”です。このような食事中の相手への気遣いや、大人のたしなみとしてのエチケットを、ルール化したのがテーブルマナーなのです。
テーブルマナーの歴史
テーブルマナーの歴史は、今から500年ほど前のフランスにさかのぼります。1533年にイタリアの名家・メディチ家のお姫様であるカトリーヌが、フランス王家に嫁ぎました。
その時彼女に付き添っていたシェフが、フランス宮中の食事作法の拙さに驚き、フォークの使い方などのテーブルマナーを一冊の本にまとめました。このイタリア人シェフが著した『食事作法の50則』が、世界最初のテーブルマナーの指南書です。
イギリス式とフランス式テーブルマナーの違い
テーブルマナーは元々、16世紀のフランスに起源をもちます。そのため歴史上長年フランスが、テーブルマナーの理論や技術をリードしてきました。しかしフランスと歴史的にライバル関係にあるイギリスは、それに対抗して独自のテーブルマナーを生み出してきました。
ここではフランス料理のテーブルマナーとイギリスのテーブルマナーを、対比させながら紹介します。
テーブルマナーの違い1:ナイフ・フォークの使い方
フランス料理とイギリスのテーブルマナーの違いの1つめは、ナイフ・フォークの使い方にあります。
★イギリスのテーブルマナーでは、フォークを使う際には、フォークの背中に料理を乗せて食べます。ちなみにフランス料理のテーブルマナーでは、フォークの背中に料理を乗せると、恥ずかしい思いをするので注意が必要です。
★イギリスのテーブルマナーでは、フォークを右手に持ち替えてはいけませんが、フランス料理のテーブルマナーではOKです。
★料理を食べ終わった時には、ナイフ・フォークを縦に並べるのが、イギリスのテーブルマナーです。しかしフランス料理のテーブルマナーでは、3時の方向、または右斜め下に柄が来るようにしなければなりません。
テーブルマナーの違い:スープの飲み方
フランス料理とイギリスのテーブルマナーの違いで、もう1つ注意が必要なのが、スープの飲み方です。出て来たスープに対し、手前から奥にスプーンを運ばせるのが
イギリス式です。またスープの量が少なくなってきたら、皿の手前側を少し浮かせて飲みやすくしなければなりません。しかしフランス料理だと、このマナーが完全に反対になります。フランス料理のテーブルマナーではスプーンを奥から手前へ運び、スープの量が少なくなったら皿の奥を少し浮かせるのです。
ちなみに日本では公式な晩餐会(公的な場所)ではイギリス式が適用されます。
これは、イギリスと日本が交流が深く、イギリス式マナーが宮内庁に初めに伝わったからです。しかし現代の西洋料理はフランス料理が中心となり繁栄してきました。
現在の一般的な場のレストランではフランス式のマナーが主流です。
少しややこしいですね( ;∀;)
今回は、基本となるイギリス式とフランス式の違いについてお話いたしました。
次はもう少し具体的な流れを説明したいと思います。
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