家庭で楽しむワイン 生カキにシャブリ
こんにちは、福岡在住のソムリエの中村です。
今回はよく耳にする、生カキとワインの相性ついてお話したいと思います。
生カキとワイン
正直、合う、合うはないは嗜好の問題などで、絶対合うというということは言えません。しかし、若々しいワインは果実の香りがたくさんあるので、カキとは合わせずらい部分があります。
魚の生臭さやヨード臭が強調されてしまうからです。そういう意味で、少し熟成したタイプ、果実の香りが落ち着いたころのワインの方が合わせやすいと思います。
生カキに合うワインとしては、フレッシュな酸をもつ白ワインがあげられます。
通常、生カキにレモンや赤ワインヴィネガー、ポン酢を使うのは、味覚上の問題以外に、酸に殺菌作用があるからです。また、ワインと一緒に生カキを食べる時にレモンをかけない人がいるのは、ワインにレモン的な酸の効果があるからです。
ちなみにフランスでは生カキを食べる際には白ワインをたくさん飲むそうです。
生カキとシャブリ
よく生カキとシャブリは相性がいいという事を耳にすると思いますが。
それは、昔の話なのです( 一一)
カキは、海沿いの町から陸路でパリまで運ばれていたため、鮮度が良くありませんでした。なので酸味の強い白ワインをたくさん飲めば大丈夫だと考えられていたのです。
しかも、むかしの美食家はブルゴーニュ産のワインをたくさん飲むのがお金持ちの証とされていましたので、シャブリが飲まれるようになったのです。
シャブリはブルゴーニュの最北に位置し、平均気温も低く、当時は唯一リンゴ酸フレッシュなままで残っていたため、ブルゴーニュワインの中では最も酸味が強く、したがってカキとよく合ったのです。
今のシャブリは、温度コントロールにより、フレッシュで強い酸をまろやかな酸に変えるマロラクティック発酵を行っているところが多くなってきたため、生カキに合うとは一概には言えなくなりました(._.)
現在のワインではシャブリに代わり、カキの産地の近くのボルドー・アントル・ドゥー・メールやロワールのミュスカデ、アルザスのリースリングなど、白ワインでも乳酸発酵させていない、酸のさわやかなタイプがレモンの代役として効果的です。
合わせる際にはカキとレモンが合うように、ワインのタイプもフレッシュな酸味をもつレモン的な風味のワインを選ぶと相性良く召し上がれると思います。
個人的にはミュスカデがリーズナブルで家庭でも楽しめるワインだと思います(^^♪